
カナダ西海岸の島暮らしでは、冬は雨の季節です。
しかし、庭仕事ができないように思えるこの時期こそ、実は来年の豊作を決める「土作り」のベストシーズンです。
これまで美しい花を咲かせてくれたダリアの花壇。来年はここは野菜を育てようと思ってます。そこで今回は、冬の間に微生物の力を借りて土をフカフカにする「ラザニアガーデニング(積層堆肥)」を行いました。
家にあるもの、捨ててしまいそうなものを層のように重ねていくだけの、自然に優しく力強い土作り。
私の実践記録をシェアします。
1. 耕さずに「重ねる」土作り
ラザニアガーデニングの基本は「耕さない(No Dig)」ですること。地面の上に材料をサンドイッチのように重ねて、あとは冬の雨と時間にお任せします。
まず、ダリアの球根を掘り上げた後、上にあった古い藁(敷き藁)を一度すべてよけました。そして、露出した土の上に「段ボール」を敷き詰めます。
しかし、ここで重要なのが「段ボールをビショビショに濡らす」ことです。乾いたままだと水を弾いてしまい、下の土が乾いてしまいます。実際に水をかけてみると、驚くほど水が染み込まず弾かれるのでビックリするかもしれません。
そのため、水が染み込んできたなと思ったら一度ひっくり返し、裏面にももう一度水をかけるのが大事なステップです。雨の多いこの島ですが、最初に両面をしっかりと濡らして地面と密着させることで、ここがミミズたちの快適な住処になります。
2. 家にある廃材が宝物に!最強の「栄養層」
濡らした段ボールの上には、栄養たっぷりの有機物を投入します。今回使ったのは、まさに家からの廃棄物の循環です。
バナナの皮: カリウムが豊富で、トマトやズッキーニなど「実のなる野菜」の生育に欠かせません。
コーヒーかす: 窒素を多く含み、葉や茎を育てるのに役立ちます。保存中に一部がカビてブロック状になっていましたが、カビ(菌)は分解が始まっている証拠。ほぐしながら撒けば、ミミズも大好きな最高の堆肥になります。
鶏糞(窒素の層): 今回のメインです。窒素やカルシウムが非常に豊富で、野菜の体を大きくするだけでなく、発酵熱を出して土の分解を強力に進める「エンジンの役割」も果たします。
我が家では、毎日の小屋掃除で出る鶏糞(木屑混じり)をたっぷりと撒きました。生の鶏糞は刺激が強いですが、冬の間に仕込むならそのままで大丈夫。春までの数ヶ月間でゆっくり分解が進み、植え付けの頃にはちょうど良い完熟状態になります。

鶏を飼っていない場合は?
「家に鶏なんていないよ!」という方がほとんどだと思います。その場合は、以下の方法で代用できます。
市販の「発酵鶏糞」を買う ホームセンターで数百円で売られています。すでに発酵・乾燥済みなので臭いも少なく、サラサラして使いやすいです。
「牛糞堆肥」を使う 鶏糞よりも成分が穏やかで、土をフカフカにする効果が高いです。じっくり土作りをしたい方におすすめです。
キッチンからの「生ゴミ」だけで勝負 肥料を買わなくても、野菜くずや果物の皮を多めに入れれば十分な栄養になります。その際は、米ぬかなどを少し足すと分解が早まります。
3. 悲鳴をあげる前に…「虫」こそが分解の主役
実は今回、一つの鶏糞の袋を開けて驚きました。中がハエのサナギ(赤い粒)や幼虫ですごいことになっていたのです。
一瞬ひるみましたが、これこそ高タンパクな肥料そのもの。彼らは野菜の根を食べる害虫ではなく、有機物を分解してくれる「分解者」です。
もちろん、そのまま飛び立たれては困ります。でも、この上に最初によけておいた「古いストローと土」を少し厚めに被せれば大丈夫。彼らは土の中で孵化することなく、そのまま豊かな栄養へと変わっていきます。

さらに、鶏糞袋の下には大量のミミズも発見!ミミズでこんなに喜べる自分に笑いつつ、彼らも迷わず新しいベッド(畑)へご招待しました。
見た目が綺麗な肥料だけが良い土を作るわけではありません。虫や菌が働いてくれるからこそ、野菜が育つ「生きた土」になるのです。

4. 蓋をして冬眠させる
栄養層の上には、匂いや虫を閉じ込めるために土を被せます。
まず、最初によけておいた古い藁(敷き藁)と土を戻しました。ところが、虫のわいた鶏糞を厚く覆うには土が少し足りません。

そこで、家の中で古くなって先日交換した「観葉植物の土」を再利用することにしました。白っぽくなった古い土も、下の鶏糞パワーで春には再生します。家の中の古い土も、こうして庭の資源として無駄なく活かすことができました。

仕上げに、鶏小屋掃除で出た古いウッドチップと藁(敷き藁)を厚めに被せて完成です。
この層が布団となり、冬の寒さから微生物を守り、適度な湿度を保ってくれます。

春を待つ楽しみ
これで準備は完了。私が暖かい家の中で過ごしている間、冷たい雨の下では、ミミズや微生物たちがせっせと段ボールや鶏糞を分解し、耕してくれているはずです。
春になって藁(敷き藁)をめくった時、そこには黒くてフカフカの、栄養満点の土ができあがっているでしょう。そこに野菜の苗を植えるのが今から楽しみです。
ゴミとして捨てればただの厄介者ですが、土に返せば宝物になる。 そんな自然の循環を感じられる冬の庭仕事、皆さんも試してみませんか?
最近の投稿より
野菜や植物を育てる日々の記録と、その土台となる土づくりの実践。
種まきから収穫まで、家庭菜園のリアルな様子をご紹介します。

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