食品添加物の安全性とリスクを象徴するイメージ。新鮮な野菜や果物と、添加物の多い加工食品が対比され、食品の選択の重要性を示す。

食品添加物とは

食品添加物とは、食品の品質を維持し、安全に長期保存するために使用される物質です。
私たちが日々食べている加工食品の多くに使用されています。

したがって、各国の規制のもとで管理されていますが、安全性についてはさまざまな議論があります。
そのため、「なぜ使われるのか?」「本当に必要なのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。

ここでは、食品添加物の基本的な定義や種類、歴史的背景について解説します。
また、日本で広く使用されている添加物についても詳しく紹介します。

食品添加物の歴史と背景

古代の食品保存技術

  • 古代エジプトや中国では、塩や酢、香辛料、ハーブを活用して保存や風味づけが行われていました。
  • 日本でも、味噌や醤油、漬物など、自然の力を使った保存法が発展してきました。

近代の食品添加物の発展

  • 19世紀後半:産業革命により食品の大量生産が進み、保存技術が求められる。
  • 20世紀初頭:人工の保存料や着色料が開発され、大規模な食品生産が可能に。
  • 第二次世界大戦後:加工食品の普及とともに、食品添加物の使用が増加。

このように、食品添加物は、食品業界の効率化や保存技術の発展とともに進化してきました。

そして、現代においては、健康志向の高まりから、「無添加」や「ナチュラル食品」が注目されています。
また、食品添加物を上手に使うことで効率的な流通や安定供給が可能になっています。

食品添加物の定義と種類

食品添加物とは、食品衛生法に基づいて、食品の製造や加工・保存の目的で使用される物質です。
厚生労働省が認可したものだけが使用されています。

食品添加物の目的

  • 保存性の向上:腐敗を防ぎ、保存期間を延ばす(例:保存料、防腐剤)。
  • 見た目や風味の向上:食品の色や香りを調整し、魅力を高める(例:着色料、香料)。
  • 品質の安定:食品の食感や形状を維持し、均一な品質を保つ(例:乳化剤、増粘剤)。
  • 加工の効率化:大量生産や流通を可能にする(例:pH調整剤、酵素、発泡剤、凝固剤など)。

食品添加物の主な種類

食品添加物にはさまざまな種類があり、それぞれ役割が異なります。

保存料(食品の腐敗を防ぎ、長持ちさせる)

  • ソルビン酸:合成または天然(ナナカマドの果実など)由来。
  • 安息香酸:石油化学合成が主流だが、一部は天然由来(ベンゾイン樹脂など)。

酸化防止剤(酸化による食品の劣化を防ぐ)

  • ビタミンC(アスコルビン酸):主にトウモロコシやサツマイモから合成。
  • エリソルビン酸:アスコルビン酸に似た構造を持つ化学合成品。

甘味料(甘みを加える)

  • アスパルテーム:アスパラギン酸+フェニルアラニンを化学合成。
  • ステビア:ステビアの葉から抽出される天然甘味料。
  • スクラロース:砂糖に塩素を結合させて合成。

着色料(食品に色をつける)

  • カラメル色素:糖を加熱処理して生成。
  • ベータカロテン:ニンジンやカボチャなどの植物由来、または合成。

香料(風味を良くする)

  • バニリン:バニラ豆から抽出、または合成(石油由来)。
  • リモネン:柑橘類の皮から抽出。

乳化剤(水と油を混ぜやすくする)

  • レシチン:大豆や卵黄から抽出。

増粘剤・安定剤(食品の粘り気やとろみを調整する)

  • 寒天:海藻(紅藻類)から抽出。
  • ゼラチン:動物の骨や皮から得られる。

加工効率を高めるための添加物

製造工程をスムーズにしたり、品質を安定させたりするために使われる添加物です。大量生産や流通に対応するため、食品業界の裏方として活躍しています。

pH調整剤(食品の酸度(pH)を調整することで、菌の繁殖を抑えたり、加工しやすい環境を整える。)

  • クエン酸ナトリウム:酸味を与えつつ、pHを調整する働きがある。
  • 炭酸カリウム:アルカリ性のpH調整剤で、製菓や加工食品に使用される。

酵素(たんぱく質やでんぷんを分解する作用を持ち、食品の加工を助ける。)

  • プロテアーゼ:肉をやわらかくするために使用されるたんぱく質分解酵素。
  • アミラーゼ:でんぷんを糖に分解し、パンやお菓子の発酵を助ける。

凝固剤(食品を固めるために使用され、形状や食感を整える。)

  • 塩化マグネシウム(にがり):豆腐を固めるために使用される、代表的な天然凝固剤。
  • 硫酸カルシウム:食品添加用のカルシウム源として、豆腐やゼリーなどに使用される。

発泡剤(食品の中にガスを発生させ、生地をふくらませたり、軽い食感を作り出す。)

  • 炭酸水素ナトリウム(ベーキングソーダ):パンや焼き菓子の生地をふくらませるために使用される。

どんな食品に、どんな添加物が使われているの?

加工食品の成分表示を見ると、見慣れないカタカナや化学名が並んでいることがあります。
ここでは、どのような食品に、どんな添加物がよく使われているのかを具体的に紹介します。

食品ジャンルよく使われる添加物目的・特徴
清涼飲料水甘味料、酸味料、香料飲みやすさ、保存性
加工肉発色剤、保存料、酸化防止剤見た目の色、長期保存
菓子パン乳化剤、香料、着色料しっとり感、香りづけ
スナック菓子調味料(アミノ酸等)、香料味にインパクト
ドレッシング・ソース増粘剤、乳化剤、保存料分離防止、なめらかさ
冷凍食品乳化剤、pH調整剤、保存料解凍後の品質保持
お菓子・デザート甘味料、ゲル化剤、香料見た目や食感、風味づけ

添加物について、よくある誤解

    •  

      • 「日本は他国より規制がゆるい」?
        国によって基準は異なりますが、日本でも食品安全委員会などがリスク評価を行い、使用量や条件に厳しい基準を設けています。「EUでは禁止でも日本ではOK」という例はありますが、その背景には文化や食習慣の違いも関係しています。

食品添加物はなぜ必要か?

食品メーカーの視点

  • 賞味期限を延ばし、物流や販売の効率を向上。
  • 製造コストを抑え、大量生産が可能に。
  • 均一な品質を提供できる。

流通業者・小売店の視点

  • 食品の回転率が上がり、廃棄ロスを削減できる。
  • 商品の安定供給につながる

消費者の視点

  • 忙しい現代社会では、手軽に食べられる加工食品が便利。
  • 安価で一定の味を楽しめる。
  • 保存がきくため、まとめ買いもしやすい

安全性

食品添加物には、安全性が確立されているものと健康リスクが懸念されるものがあります。

安全性が確立された添加物

  • ビタミンC(アスコルビン酸):酸化防止剤として使用。
  • クエン酸:食品のpH調整に使われる。

懸念される添加物

  • 発がん性の可能性:亜硝酸ナトリウム(加工肉の発色剤)、アスパルテーム(人工甘味料)。
  • 腸内環境への影響:保存料や乳化剤が腸内細菌に影響を与える可能性。
  • ホルモンや神経系への影響:合成着色料や一部の保存料。

このように、食品添加物のリスクにはさまざまな見方があります。
▶︎ 【詳しく見る】食品添加物の真実:安全性とリスクを知る

食品添加物は、食品業界の効率化や利便性向上には欠かせません。
しかし、消費者の健康にとって必ずしも必要なものではないといえます。

そのため、できるだけ添加物の少ない食品を選び、ラベルを確認する習慣をつけることが大切です。
健康を守るためには、自然な食材を取り入れ、自分の体にとって何が良いかを考えることが重要です。


 

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